こんにちは泰始堂鍼灸院の佐藤です!!
私は鍼灸師生活の中で沢山の腰痛患者さんと出会いました。激痛で起き上がれなくなり往診をお願いされたり、家族に抱えられやっとこ来院されたりするなど、皆さんかなり激しい腰痛を経験されているようです。
私の治療家人生の中で記憶に残っている症例はたくさんあります。治療を受けてとてもよくなったと喜んで帰られる患者さんもいましたが、私の心に残っているのは、救ってあげられなかった症例です。二度と繰り返したくない勉強になったほろ苦い体験があります。
私がまだ若かったころ、鍼灸整骨院でやとわれていました。二年目だったと思いますがある程度任せられ自分の中で天狗になっていたのかもしれません。
「すみませぇん」腰を軽く抑えた女性が入ってきた。腰でも痛めたかな?
女性「朝から調子が悪くて、少し見てほしいんですけど。」
は~いどうぞ(自分で歩けてるし、簡単そうだな。)」
鍼も使って手技でほぐせばいいなと思い腰中心に刺激をおくって、がっつりほぐしました。施術を受けている間は患者さんも
「あぁそこそこ!きもちぃです!」
そんなやり取りでいっちょあがりと思い立たせたら、「ん!?」
どう頑張っても立てず、明らかに来た時よりも悪化していました。患者さんも痛みで立てなくなりお互い冷や汗が頬を滴りました。
「私の肩につかまってゆっくり歩きましょう・・・。」
まるで亀田親子の入場のようにゆっくりと受付へ行きゆっくりとお迎えの車まで送りました。
「先生この痛みはどうしたらいいでしょうか・・・。」
私はあれこれ話したと思いますが、頭は真っ白でした。
今振り返れば明らかな刺激過多でした。患部に痛みの原因があると勘違いしていた当時の私は腰にしか目がいきませんでした。しかし臨床上ぎっくり腰で腰に原因があることはあまりないことに気が付きました。
その日以降たくさんの医学書や文献を読み漁り、セミナーに参加したりと必死でした。今ではぎっくり腰は腰をほとんど触らずに治療しています。
当時の患者さんには大変申し訳なかったと思いますが、とても勉強させてもらいました。